嘘つき少女は君を愛せなかった
✽✽✽

『…ごめんなさい、梨花子。』

『そんな顔しないで。謝ってくれたじゃない。』

『…』

梨花子ちゃんは柔らかい笑顔で辰巳を撫でた。

私はそっと二人に背を向けて走り出す。

…私のせいなのに。

なんで辰巳は謝れるの?

私が独りな理由くらい自分でわかってた。

『一緒にごめんねしよ!梨花子だって許してくれるよ』

『…わかんないの、どんな顔したらいいか。
 一度謝っちゃったら次どんな顔して会えばいいの?』

『…それはねーーーー…』
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