ラグタイム
「よし、片づけは俺がやるから」

「今日は俺がやるからいいよ。

教えてもらっているんだし」

そう言って片づけをしようとした夕貴に、
「指、ケガしてるんだろ?

それに、藤本さんを待たせているんだろ?」

俺は言った。

「あっ、そうだ!」

夕貴はペチリと額をたたいた。

「大輔さんがキレないうちに早く出て行った方がいいぞ」

「そうだな。

じゃあ、また明日な」

「気をつけて帰れよー」

夕貴が背中を見せて厨房を出て行った。
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