ラグタイム
と言うか…この若頭は、あたしが“はい”か“イエス”と言うまでここに居座るつもりだよね?

そんな雰囲気が若頭の躰からすっごい出てるんだ。

あー、もう仕方ない!

「わかりましたよ!

兄貴が帰ってくるまで、あたしが双子の弟として藤本さんの店で働けばいいんですね!?」

半ばヤケクソであたしは藤本さんに言った。

「おーっ、その気になってくれたか」

藤本さんは嬉しそうに手をたたいた。

その気になってくれたも何も、あたしが“はい”か“イエス”を言わなきゃ帰らないでしょうが!

「こちらもとても助かります」
と、言ったのは黒崎さんである。

この人、若頭のそばにいただけで何もしていなければ何も言ってないよね?
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