ラグタイム
窓際の空いている席に向かいあうように腰を下ろすと、藤本さんはあたしに視線を向けた。

「何ですか?」

そう聞いたあたしに、
「やっぱり、女だなって思って」
と、藤本さんが答えた。

「ああ、彼女があたしのことを兄貴と間違えたことですか?

双子でよくあることなので気にしていませんから」

あたしは言い返すと、メニューを手にとった。

パニーニにサンドイッチにホカッチャ…へえ、ここは軽食系が売りなのか。

そう思いながらメニューを見ていた。

「決まったか?」

藤本さんが聞いてきた。

「えっ…ああ、見ますか?」

あたしは藤本さんがまだメニューを見ていないことを思い出し、テーブルのうえにメニューを置いた。
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