ラグタイム
「もうこれで藤本さんの抜き打ちチェックが最後になるのかなって思って」

そう言ったあたしに、
「どうだろうな」

藤本さんは笑った。

「…もしかしてとは思いますけど、まだ続くんですか?」

そう聞いたあたしに、
「いわゆる、無期限ってヤツだな」

藤本さんが返した。

「それで、飯は?」

「すぐに作りますから、テレビでも見ながら待ってください」

「ん」

藤本さんが床のうえに腰を下ろしたのを確認すると、あたしはキッチンの方へと足を向かわせた。
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