今夜、上司と恋します


日曜日。


よく寝たし、昨日広瀬が来てくれた事もあり、体調はもう良さそうだ。
一応、今日は家で大人しくしておこう。

心配かけた分、月曜からまた頑張らないと。


冷蔵庫に無造作に詰められたゼリーなどを見る度に、広瀬を思い出して自然と笑みが零れる。
広瀬が買って来てくれたモノは美味しくいただいた。



いつもより美味しく感じたのは、きっと気の所為じゃないだろう。


夜になっても、佐久間さんからの連絡はない。
当然といえば当然だけど、心のどこかで期待していた。



「会いたい」
そう、言ってくれるんじゃないかって。



バカだな。自分で終わらせたクセに。
未練がまし過ぎる。


でも。
これから後、何回思い出すかな。



佐久間さんの、“蛍”って呼ぶ声を。
あの、手を。
あの、夜を。
……全てを。



ダメだ、ダメだ。


“な。だから、それまで頑張れ”



広瀬の言葉を思い出すと、私は無理矢理笑顔を作った。



頑張るよ。うん、頑張る。
泣かない。


私の選択肢は間違ってなかったんだって、きっとこれから先思える筈。


それだけを信じて。

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