今夜、上司と恋します
【今から帰る。何もないよ。ありがとう。お疲れ様ー!明日ね☆】
そう返事を送っていると、廊下を曲がった出会い頭で誰かにぶつかりそうになった。
「わあ」
「きゃっ」
相手が急いでいた所為か、思いっ切りドンっとぶつかられてよろめく。
ぶつかった相手も同じ様で。
その相手を受け止めたのが佐久間さんだった。
そして、私にぶつかってきた相手。
それは…――――永戸さんだった。
永戸さんの肩を抱く様にして受け止めている佐久間さん。
驚いた顔の佐久間さん。
だけど、もっと驚いているのは私だ。
「……っ」
私を睨み付ける永戸さんの瞳には涙が溜まっていた。
睨まれている意味もわからないけど、それ以上に泣いてる理由もわからない。
「えっと、あの、ごめんなさい」
ぶつかられたのは私だから、謝る必要はない。
だけど、何故か私の口からは勝手にそう出ていた。