今夜、上司と恋します

*


あれから私と美沙都は夜通し話をしていた。
涼君の話も聞いたし、昔の私の元彼の話をして笑ったりもした。


もう、それらは笑える過去の話だから。



月曜になったら、私は伝えるよ。
佐久間さん。



それで振られたって、後悔しない。
しないから。



月曜になるといつもより早めに出社した。
永戸さんに会う為に。



私が早くに会社に来ていた時、いつもこのぐらいだと永戸さんは言っていた。
だから、それを狙った。



早めに到着した私は自分の机に向かうと、椅子に座る。
それから、ポケットに手を突っ込むとあのネックレスを取り出した。



ぎゅうっと握り締めた時に、カンカンっとヒールの音が響いてハッとした。
来た。きっと永戸さんだ。


入口をじっと見つめていると、永戸さんが現れる。
永戸さんは自分を見てる私に気付くと、目を見開いていた。



「おはようございます、永戸さん」

「……おはようございます」

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