今夜、上司と恋します


佐久間さんは私の事を、好きでいてくれたんだ。
やっぱり。……美沙都と話してる時に思った通り。


その可能性を信じ切れなかったけど。
だけど、本当に想ってくれてたんだ。



これって。

どっちが最低だ。



今まで想ってくれている佐久間さんに、素っ気ない態度で接して、挙句の果てには“飽きた”だなんて言って。


なのに。


佐久間さんはそんな事言ってくれるんだ。



「そ、んなの」



気付けば目頭が熱くなって来ていて、言葉と共に嗚咽が漏れ始める。


「え?蛍ちゃん?」


驚いた声を上げる野々村さん。
だけど、私は佐久間さんだけを見つめた。



「そんな事今更言うの、ずるいです」

「そうか?俺なりに大事にしてたつもりだけど」

「どこがですか」


野々村さんだけが意味わかってないようで、私と佐久間さんを交互に見ては動揺している。


「ええっと。俺、あれっす。お邪魔みたいなんでえっと、失礼しまっす!」



気を利かせてくれたのか、そそくさと野々村さんは私達の元から去って行く。
後で謝らないといけないな。折角資料探すの手伝ってくれてたのに。



ああ、私も仕事中なのに。
涙なんか流して。


社会人失格だ。

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