もし、8年ぶりに会った幼なじみが私のことを忘れていたら。
「まあ、梨華はすぐ相手見つかるな」
「…え?その自信どこから出てくるのよ、美音」
「梨華は知らなくていーの!」
「えーっ、何それ!晴奈は知ってる?」
私は、晴奈に助け舟を求める。
「知ってるよ、そりゃとっくに!あんなにアピールされてるのに気付かないとは、梨華は鈍感ですなー」
「ほんとほんと、まじ鈍感」
「何さっきから、鈍感だのアピールされてるだのなんだの、誰の話だよ」
「「おまえだよ」」
「はっ!?私鈍感じゃないしっ!」
晴奈と美音に揃って即答されるとは。
「まあ、鈍感の方がいい時もあるんじゃない?」
美音がわけのわからないことを言う。
「大石くんも大変だね~」