モノクロの世界
私が物心ついた時には
既にこの世界はモノクロだった
白と黒以外なんの色も持たない世界

私にとっては当たり前の世界

私の両親がそれに気づいたのは
私が2歳の時だった

『しずくちゃんはピンク色が似合うわね』

母が何気なく私に言った言葉

『ピンク色って何?』

『うふふっピンク色って言うのはねしずくちゃんが今着ている服の色の事よ』

私には理解出来なかった
だってこの色は……黒なのだから

『ママ何言ってるの?この服は黒だよ』

私の言葉は母に疑問を委ねさせるにの充分過ぎた
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