不器用な恋愛
「宏。ちょっといいか…?」
「…うん…?」
先に口を開いたのは兄ちゃんだった。
再び階段を登りだしたから
俺も慌てて付いていく。
行く先は…
「中入ってて。」
兄ちゃんの部屋だった。
俺は何となく落ち着かなくて
ベッドの隅っこに腰を降ろす。
相変わらず兄ちゃんの部屋は綺麗だった。
「お待たせ。」
「…何それ…」
「ちょっと見せたくて。」
兄ちゃんの手にはアルバムのような本が握られていた。
茶色いカバーケース。
どことなく古さを感じさせる。