メニューとあの人
注文した抹茶はとても香りが良かった。
それに、程よい苦さのなかに少し甘味があり味深いものであった。

「美味しいですね!
しかも、この和菓子もとても美味しいです。
ちょうど抹茶と合って・・・」

今まで飲んできた抹茶より本当に美味しい!

「お気に召していただいてありがとうございます。
和菓子は季節に応じて少し夏と梅雨をいれてみました。 お客様に満足頂いて作りがいがあります。」



「あなたが作ったんですか?」

少し深い微笑みをして、

「はい。」

「当店はすべて私の手作りですよ。」

すごすぎる・・・
こんな、美味しいものが作れてそして、美形とかなんだろう。

「ところで、あなた一人でこのお店を開いているんですか?
失礼ながら、あまり人がいないので・・・。」

失礼すぎたかなー?
人が来ないのはこの人のせいじゃないのに・・・。

でも、まったく気にしてないようにけろっとして

「まぁ、たしかに来ませんね。
でも、静かでいいですよ。もともと繁盛させるつもりありませんし。
趣味でやってるもんですし。」

?!
なんて、適当な!

「そんなんでいいですか?」
心配になるよ。
逆にこっちが・・・

「フフフッ。大丈夫ですよ。
そのぶん別のとこで稼いでますので」
と、言う言葉に


あれー
この人・・ちょっと腹黒そう。苦笑
この人なら一人でやっていけそう

あっ、そういえば・・・

「そういえば、お名前聞いていいですか?」

腹黒そうだけど、この人面白そうだし また来ようかな~(笑)


ちょっと、ビックリしてすぐに微笑み

「いいですよ。
私は、紅崋 静音(コウカ シズネ)というですよ。」

なんて、綺麗な名前だろう。
名前だけなら女の人かと思いそう・・・

「貴女の名前を伺っても宜しいですか?」


「私は、天城 杏(アマキ アンズ)っていいます。
貴方は、紅崋さんって呼んでいいですか?」

縁は大事だって誰かが言ってた。
これもなにか大事な出会いなんだろう。

「いいですよ。
貴女は天城さんでいいのでしょうか?」


私は苗字で呼ばれるより・・・

「私は苗字で呼ばれるより名前の杏がいいです!
この名前好きなので・・・(照)」

暖かい微笑んだ紅崋さんが、
「では、杏さん。
出会ったこの時にこの抹茶のおまけを披露しましょうか。」


・・・おまけ?

「抹茶のおまけですか?
この和菓子でなく?」

とても、美味しいかった。
もうなくなってしまって抹茶をおわかりをしたいぐらい。
そう思っていたら・・・

「抹茶のおわかりいりますか?」

「あっ、いいですか?
すごく美味しくてまたのみたいなって思ってたんです。


「いいですよ。喜んでいただけてこちらも嬉しいですよ」






そういって、少しして抹茶を持ってきた。

「さて、杏さん。
抹茶のおまけを披露しましょうか。
といってもちょっとしたお話なんですが・・・」

「お話し?ですか?」
抹茶となんの関わりが?

「はい。貴女があんまりも美味しそうに頂いているのでちょっとばかりサービスをしょうかとおもいまして。
聞きたいですか?」

クスリと笑って、


「気になります。ぜひお願いします。」


気になるよ。
そんな顔して言われるんだもん。


「わかりました。では、ここにご来店した方で。
お聞かせしますね。」


こうして、私は不思議な物語を、聞くことになった。
この出会いは果たしてどうな未来を描くのがこの時の私はまだわからなかった。
< 3 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop