俺様常務の甘い策略
もう他の男子の言葉は耳に入らなかった。

何でこの私が藤堂にここまでコケにされなきゃいけないんだ。

高校の時はずっと素っぴんだったし、今だってファンデに口紅くらいしか塗ってない。

藤堂の前で服を脱いだ事だってないのに……。

私が何をしたって言うのよ!

握った拳がブルブルと震える。

男子の声が遠ざかっても、私はしばらく怒りでその場から動けなかった。

結局、ジュースを買わずに部屋に戻る。

それからは、藤堂は私に何かと絡んできたけど彼の事は無視し続けた。

大学もずっと首席だった藤堂は卒業式の挨拶を済ませると、私に近づいて耳打ちした。

「お前は一生俺には勝てないよ」

楽しそうに言う藤堂に腸が煮えくり返っていたが、私が彼に一度も勝てなかったのは事実。私は悔しさに唇を噛み締めるだけで、何も言い返せなかった。

そんな藤堂は大学卒業後はアメリカの石油会社に就職。
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