俺様常務の甘い策略
「お前が傷つく姿を見たくなかったんだよ。俺は秋月の素っぴんも身体も綺麗だと思う。
じゃあ、俺からも質問。お前が大学時代、俺をずっと避けてたのってその事が原因?」

「うっ……まあね」

「じゃあ、わだかまりは消えたわけだ。これで安心して帰れるね」

にっこり微笑んで秋月の手を強引に引っ張っる。

「え……ちょっと」

秋月は抵抗するが、もう反論の余地は与えない。

彼女を車に乗せて真っ直ぐ家に帰る。

マンションの部屋の鍵を開けて秋月を上がらせると、こいつは俺に向き直った。

「寝室は別ですからね!」

「どうぞご自由に」

俺は余裕の表情で秋月を客室に案内する。

「ここが客室。まだ引っ越してきたばかりで荷物置き場になってるけど、適当にどけてもらっていいよ」

客室に山積みになっている段ボールを指差すと、秋月は目を丸くして固まった。
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