俺様常務の甘い策略
四年後輩の彼女が専務担当なのは、専務がしっかりしていて仕事が出来て、年数が浅い秘書でも扱い安いからだ。

夏海ちゃんは目がくりくりしてて童顔で、髪の毛も顎までのフワユルパーマでとってもキュート。性格もおっとりしてて私の癒し的存在。

「社長室でちょっとね」

新しい常務の話は直属の上司である沢口室長から報告があるだろうし、私は言葉を濁した。

「社長がごねたにしては荒れてませんか?」

「社長のせいでもなくはないんだけど、そのうちわかると思うわ」

ハーッと自然と溜め息が出る。

「朝から溜め息なんて止めてくれません?」

田中さんが私に冷ややかな視線を向ける。

私のやる事なす事、いちいちいちゃもんつけなきゃ気が済まないのか、この女は!

そう言い返したいところだけど、相手をするのも億劫で、田中さんを無視して秘書室の奥にある給湯室に向かう。
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