俺様常務の甘い策略
「おばあちゃん、今日は電車で帰るしいいよ」

私は頭を振って断る。

何かお土産に持たせたい気持ちはわかるけど、これは東京に持って帰るにはちょっと……。

「沙羅、有り難く頂こうよ。ありがとうございます」

颯介は優しく微笑むと、祖母から嬉しそうに袋を受け取った。

満足げな祖母の顔。

「今夜は麻婆ナスにトマトサラダかな」

にっこり微笑する颯介。

私でも嫌なのに、大人な対応の颯介を今さらながら尊敬した。

作り笑いでもないし、本当に喜んでいるようだ。

今度こそと車に乗り込もうとすれば、今度は涼太に呼び止められた。

「おい、これやるよ」

涼太は白い紙袋を颯介に手渡すと何やら颯介に耳打ちする。すると、颯介は「わかった。嬉しいよ」と言って頷いた。

何を涼太からもらったんだろう?

不思議に思いながらも、私は涼太に近寄りこいつのみぞおちに一発食らわせた。
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