妄想ラブレター
えりなの大きな瞳があたしを見つめてる先輩を映してる。
目尻に乗せた笑み、愛らしく口角の引き上がった口元。なにも知らない人が見れば、えりなは可愛く愛想を振りまいてるようにも見えると思う。
だけどあたしは知ってる。
こういう顔した時のえりなは、相手を冷ややかに値踏みしてる時だって事を……。
中学からの付き合いだからわかる。けど、そうじゃない人にはきっと気づきもしない、そんな微妙な空気感がそこにはあった。
「まぁ、仲良いっていうのは瀬戸くんから聞いてるからね」
アキが? なんで先輩にそんな話を……?
「……で、一体なんの用?」
あっけらかんと言う。驚いてたのも束の間だったみたい。