めくるめく恋心
今日からまた帰りは一人。昨日までは一緒に帰る人がいたから、やっぱり一人は寂しい。一人でトボトボ歩いていると、横から元気な声が聞こえてきてグラウンドへ近づいた。

グラウンドはサッカー部と陸上部が共有して使っている。でもグラウンドの大半はサッカー部が使っている。うちの学校のサッカー部は毎年全国に行くくらい強いらしくて、それならグラウンドを広々使うのはしょうがないのかなって思う。

_千里先輩はそんなサッカー部のエースだもんね。 凄いよね。 本当に非の打ち所がない人。

グラウンドで走っているサッカー部。その中にいる千里先輩は隣の人と楽しそうに話をしながら走っていた。そんな千里先輩を見ているのは私だけじゃない。直ぐ近くで千里先輩のファンの子たちがキャッキャ言いながら夢中で見ている。

千里先輩と目が合い先輩がニコッと笑った。笑い返そうとした時隣から「今高尾先輩と目が合ったよー!」と声がして、慌てて笑顔を引っ込めた。

_危ない、危ない。 私かと思って笑い返すところだった。 勘違いって怖い。 そろそろバイト行こう。


「心ちゃん!!」


グラウンドに背を向けて少し歩いたところで呼び止められた。


「千里先輩!? え!? どうしたんですか!?」

「心ちゃんがいるのが見えたから。」

「先生に怒られちゃいますよ!?」

「まーその時はその時でしょ。」


千里先輩は意外と楽観的で、何事にも動じない感じがする。私とは正反対の性格で羨ましいと思う。私は臆病で急な出来事に直ぐには対処できなくて、その上ヘタレ。





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