フィルムの中の君
「きっと櫻井も同じこと言うでしょうね…。でもあの2人は友達以上、恋人未満な関係じゃないのか、と思います」
黙って平井は話を聞いていた。
「実際のところどうなのかは私にもわかりかねますが、本人たちの気持ちはそんなところじゃないでしょうか」
水島の見解は平井と同じものだった。
「それで水島さん、今日尋ねられて来たんですね」
マネージャーならば誰もが一度は通る道。成人してる大人ならまだしも、若手で高校生となると話はちょっと違ってくる。
「水島さん、僕は…」
その時だった。
ーコンコン。
タイミング良く扉をノックされる。
「どうぞ」と平井が答えるとスタッフの一人が顔を覗かせた。
「あ、いらしたんですね」とスタッフ。
「何かあったんですか!?」
「あ、いえ、今日スタジオで平井さんをお見かけしなかったもので、ここの部屋誰もいなかったら電気消そうかと思ったんですよ」
「そういうことですか。わざわざすみません、ありがとうございます」
失礼します、とスタッフが出て行った後、平井が再び水島の方を向くと硬直していた。
どうしたのか聞く間も無く水島は一方的に話し始めた。
「電気点いてるのがわかったということは光が漏れてたってことですよね?ということは薄くドア開いてたってことですよね…?」
ここでようやく平井も気付く。
「それって…」
(さっきの話聞こえてたってことか!?)