風は囁く「君と輝きたいから」
9章/素顔のままで
俺たちは撮影衣装のままだった。
5月中旬。
フローラ化粧品、夏バージョン口紅「ロマンス」CMの試写会。
番組録りを終えた後、真っ直ぐに駆けつけた。
「忙しそうだな」
詩月さんはフローラ化粧品の広報室で、顔を合わせた俺たちに開口一番、そう声をかけた。
「周桜さん、そう言う周桜さんも忙しそうやん」
昴が無表情で言う。
俺は、その後ろで首を傾げた。
「あれ!? 詩月さん、少し痩せた?」
「まあね……」
詩月さんは薄く微笑み言葉を濁す。
「元から細いんだからさ、無理しないようにね」
思い切り明るく言う。
「ありがとう」
詩月さんは、はにかむように言うと、澄まし顔に戻った。
「今度のCMもスゴく楽しみなんだ。
僕らは、アフレコに合わせて、演奏してるふりだけだったけど」
空は申し訳無さそうだ。
5月中旬。
フローラ化粧品、夏バージョン口紅「ロマンス」CMの試写会。
番組録りを終えた後、真っ直ぐに駆けつけた。
「忙しそうだな」
詩月さんはフローラ化粧品の広報室で、顔を合わせた俺たちに開口一番、そう声をかけた。
「周桜さん、そう言う周桜さんも忙しそうやん」
昴が無表情で言う。
俺は、その後ろで首を傾げた。
「あれ!? 詩月さん、少し痩せた?」
「まあね……」
詩月さんは薄く微笑み言葉を濁す。
「元から細いんだからさ、無理しないようにね」
思い切り明るく言う。
「ありがとう」
詩月さんは、はにかむように言うと、澄まし顔に戻った。
「今度のCMもスゴく楽しみなんだ。
僕らは、アフレコに合わせて、演奏してるふりだけだったけど」
空は申し訳無さそうだ。