期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
聞きたくない。
そんな気持ちから聞かないようにしていたのだろうか…。
「あの2人のデートしてる姿は頻繁に目撃されてるみたいだよ?
しかも、2人で指輪を買いに行ってるところに、事務の子が鉢合わせたみたいだし。
婚約指輪でも選んでたのかねー…」
婚約指輪…?
嘘?
嘘だよ。
嘘に決まってるよ。
だって千洋さんの彼女は私で…
私だって婚約指輪を貰ったんだから…。
張り裂けそうな胸。
涙をこらえるのが精一杯だった。
こんなに不安なのは…
こんなに切ないのは…
こんなに信じきれないのは…
そうだね。
私が千洋さんに夢のように愛されていたのも
婚約指輪をもらったのも
偽りのあの期間だったからなのかもしれないね。