夢色約束
「香里奈ー帰るぞ」

私はその声を聞いて立ち上がる。


「バイバイ」

由羅に手を振って光を追いかけた。


「光ーアイス食べてこー」


「おー、どこ?」


「じゃー、駅前ー」


「りょーかい」

下駄箱で靴を履きながらそんな話をする。

ねえ、光?

私たち、いつまでこうやって話していられるのかな。

いつまで、今まで通りに笑いあっていられるかな。

私は・・・今すぐにでも崩れてしまいそうなこの毎日が。

何気ない毎日が。

怖くて仕方ないの。

私は寂しさや悲しさ、不安。

巻き付くすべての感情を捨てるように光と繋いだ手に力を込めた。
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