夢色約束
「いらっしゃいませー」

カランカランと綺麗な音がして涼しい店内に軽やかな店員さんの声が響いた。


「こ、ちらへどうぞ!!」

下げていた顔を上げ、光の顔を見た店員さんは光の顔を見て顔を赤くし、止まった言葉を無理矢理つなげて私たちを案内した。


「光は何にするー?」

そんなことに慣れている私は特に気にすることもなくメニューを見る。

まあ、常に感じる視線にいい気はしないけど…

見られてることになんて光は気づいてもいないんだろうな~


「…りな、香里奈?」


「へ?なに!?」


「どうしたんだよ、ボーっとして」


「いや、なんでも…」

言えるわけない…!!


「ふーん、それより、お前は何にすんの」


「ああ、そうだな…イチゴパフェ!!」


「アイスじゃねぇの?」

呆れたようにため息をついて言われた。


「アイスものってるよ?」


「あ…そう」

なに、その反応…


「それより!!光は?」


「俺、アイスコーヒー」


「え、光食べないの?」


「別に腹減ってないし」


「その言い方!私が食い意地張ってるみたいじゃん!」


「あれ?張ってねぇの?」

ニヤニヤとしながら言ってくる光。

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