無気力な彼は、たまに意地悪



***




「コハ、帰るけど」



ひょっこり教室のドアから顔を覗かしているのはアキちゃん。




「やだ、私はちーちゃんと帰るもん」




ふんっ、とそっぽを向いてちーちゃんの腕を強く掴む。




「あんた、私と帰り逆の方向でしょうが」



「ゔっ………」



「亜樹くんも早く謝ってよね」




めんどくさいんだからこの子、なんてひどいよちーちゃん…!





「それにもうしょうがないんだし、コハルも許してあげなさいよ」



「ええ、だって!ちーちゃん!!」




絶対に許すわけにはいかないんだ、今回は!



毎回毎回、なんだかんだアキちゃんは私が怒ってるのにあやふやにしちゃうんだもん


だからちゃんと謝るまで許さないっ!




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