『私』だけを見て欲しい
……長い間、私は親や子供を、壁やリスクのように感じてた。
でも、そうじゃない。

母も泰も、私の幸せを祈ってくれてる。

…帰りの遅い夜、いつも外灯を点けてくれてたのは泰だと知った。
それを教えてもらった時、あの子のことをぎゅっと抱きしめた。

「…やめろよ!気持ち悪りぃ!」

すぐに払い除けられたけど、嬉しそうな顔してテレてた。

(似てる…拓斗さんと…)

親子でもないのに、血の繋がりもないのにそう思った。


…4人で、母の退院祝いをした。
笑い声の溢れる、楽しい食卓だった。
家族のような時間を過ごした帰り際、彼から言われた。


「幸せになろう。皆で…」

彼の言葉は、いつでも私に勇気を与えてくれる。
一歩前に足を踏み出すその瞬間、また恋に落ちる。


「いつまでも…一緒にいてね…」

約束する…
あなたのことだけ見つめるから…

だから、あなたも…

『私』だけを見て……

そして、一緒に、恋をしていましょ…。



ツラかった過去も
迷った現在も
全てが未来へ続いていく為のステップなら


受け入れていこう
これから始まる
新たな日々のために……



Fin
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