超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】


「ま、んな事より」


 半ば強制的に話題を変える園森。


「何があったんすか?あたしたち、さっきも言った通りうるせー音がしたから来たんすけど」

「見て分からないかい?これだよ」


 学園長先生が、ウインナーみたいな太った指で床を指す。

 そこには、白地に瑠璃色の模様が描かれた陶器のようなものの破片が散らばっていた。


「これが割れた音だよ」

「壺……ですか?」

「今朝届いたばかりの物だったんだが……どうやら割ったらしいんだ」


 学園長先生がチラリと、部屋の隅で立ってる男女の若い教師を見た。


「だから!私達じゃないって言ってるじゃありませんか!」

「学園長先生はまだ僕らを疑ってるんですか?!心外です!」


 あれ?この先生方は初等部の一年生の担任だったかな。

 初々しくて二人共整った顔立ちをしてるから、新任式の時に顔を見た時になんとなく覚えてた。

 確か名前は、女の先生が浜宮(はまみや)先生で、男の先生が三上(みかみ)先生。

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