( ̄ー ̄)
「何か」が手を伸ばし、清羅を掴んだ。そして服を強く引っ張った。

「きゃー!」
清羅は尻餅をついてしまった。足はもう走れない。走ったとしても筋肉が悲鳴をあげているので、逃げても気休め位の距離しか走れないだろう。

「何か」で目の前を支配された上に徐々に近づいてきている。
清羅の心は恐怖に支配されてしまい、体が微かに震え始めた。























「我、真名撃なり。神、素戔嗚尊(すさのおのみこと)から賜りし真の姿をここに示さん。」


何処かから凛とした声でそう言葉が紡がれるのが聞こえた。
次の瞬間、清羅の服を掴んでいた「何か」の腕になっていた部分が切れていた。

「なっ...!」
清羅は驚くしかなかった。自分の目で切る所を追えなかったから。
清羅は動体視力が優れていた。動くものなら大体目で追えていた。

そしてさらに驚くことに、その刀さばきを見せたのは
さっき見失ってしまった青年だった。
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