勿忘草
記憶
俺とあいつは産まれた時からずっと一緒でずっと仲がよかった。

だからあの日ことは今でも後悔してる。

あの頃はまだ楽しかったのに、なのに、なんで…

俺はあの時を、あいつを、あの花を忘れない。

「ねぇ! 帰ろ〜」

そう言って俺の教室まで来る幼馴染のあいつ。

「分かったから少し待ってろよ」

俺はこいつとずっと何から何まで一緒だった。

だから高校生になっても仲がよかった。

周りもまたかとしか思わず中学生の頃多かった彼氏という勘違いもだいぶなくなった。

「わり、用意できたからいくか」

そう言って俺らは歩き出したんだ。

「〜だからさ! 行ってみたいよね…って、聞いてる?」

俺はあくびをしながら歩いてた。

あいつの話なんてたいして聞きもせずにな。

「ねぇ!本当に聞いてるのー!?」

「おー、聞いてる聞いてるー」

「嘘だー!!!」

「おう、嘘嘘」

「やっぱりぃー!!」

そう言って頬を膨らませるあいつ。

「顔悲惨だぞw」

そう言ってからかえば顔を赤くして怒るあいつ。

俺たちは本当にくだらない喧嘩をしたり会話をしたり、あの時は本当に楽しかった。

「うぅ…もういいよー! それより、この前出来たばっかりの展望台。行ってみない? ここら辺で一番空に近いんだってよ!」

それよりってコロコロと話も表情も変わるあいつ。

「展望台? なんで俺が?」

「だって、昔っから空、好きでしょ?」

「まぁ、そうだな」

「で? 行くの? 行ってくれるの!?」

「それ結局行くんじゃねぇかww
いいよ、行ってやるよ」

「上から目線〜! むかつくw」
そうやってバカみたいに笑い意味のない会話を続けながら展望台に向かった俺たち。





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