Hazy moon night
過去の悲しみも今の迷いも、すべてが未来に繋がる
大学が夏休みに入って間もなく、ハヤテは父親と一緒にヒロの元を訪れた。

春にはイタリアに留学していた事もあり、夏休みには必ず来いよ、とヒロから言われていたからだ。

夏の音楽イベントや、規模の小さなライブハウスでヒロが不定期に行っているゲリラライブにキーボードとしてハヤテを起用したいと、ヒロからの申し出があったのは、メグミと再び付き合いだして間もなくの事だった。

本当は、夏休みの間くらいは少しでも長くメグミと一緒にいたいと思ったが、4回生のハヤテにとって、今は将来の事を真剣に考えなくてはならない大事な時期だ。

ただ漠然とピアノを弾いているだけでは何も将来には繋がらないと、ハヤテは思いきってヒロの申し出を受ける事にした。



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