青春に、寄り道中。



「お父さんから、支援してもらうことってできないの?おばあさんの入院費くらいは」

「……それも考えたよ。だけどさ、お父さんの電話番号とか知らないの」

「そっか……」

「だからわたしもいっしょに、がんばらないとって思って」



いくらお金がたくさん必要だとしても、お母さんといっしょにがんばれば、なんとかなりそうな感じだから……たぶん大丈夫。



「部活にはたまに顔を出すよ!」

「大会までは3ヶ月しかないよ」

「大丈夫だよ。 今月はバイトをたくさんしたいと思ってるけど、来月からはちゃんと両立できるようにするから」



いままでがんばってきたし、自主練だってするから、平気だよ。



「俺も、なにか手伝えないか考えてみる」

「あはは、大丈夫だよ。気にしないで」



優しさだけで、じゅうぶんだから。


わたしは立ち上がって、高瀬くんに「またね」と告げて美術室を出た。







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