青春に、寄り道中。



わたしはこの町にもどってきたときに、いっしょに来れたのが4人じゃなくてふたりだったこと、それがさみしかった。



「……この話は、これでもうおしまい! あはは、話聞いてくれてありがとう」



高瀬くんになにか言われる前に、切り替えてそう言うと、高瀬くんは驚いたように目を見開いた。



そんな彼に、一歩近づく。



「これからよろしくね」



そう言って右手を差し出すと、高瀬くんは「ははっ」とおかしそうに笑った。



「吉井さんって、面白いね」

「えっ?」

「……よろしく」



そんな彼はまだおかしそうに笑いながら、右手を重ねてくれた。


面白いってなにが……?
そう思って首を傾げていると、「そろそろもどろう」と高瀬くんは言った。



――わたし、大切にしたいな。
この1分1秒を……。








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