鬼姫伝説 Ⅱ
走って、走って、どれ位進んだだろう。
突然目の前に現れた火の灯り。
私は、何かにぶつかって転んだ。
「たっ・・・」
両手をついて転ぶ。
痛い・・・すりむいた?
もう、一体何?
私が身体を起こそうとするとそれを制するように何かが私の上に跨った。
なにか・・・。
「こんなところで女にでくわすとわなあ」
人だ。
男の声。
男は、下品な笑いを浮かべ、少し体を浮かすとうつぶせに倒れていた私をひっぺ返した。
「やっ!」
抵抗のため振り回した手を別の手が掴んだ。