鬼姫伝説 Ⅱ
・・・一人じゃない!?
「大人しくしろよ。そうすれば、命まではとらねぇ」
「や・・・!やめっ!・・・んぐ!」
「大人しくしろって言っただろ!」
私に馬乗りになった方の男が私の頬を殴り、鈍い痛みが左頬に走った。
涙がにじむ。
火の明かりに照らされた、男の下品に笑う顔。
その後ろに見える濃紺は私の心までも暗闇に落としていく。
もう嫌だ・・・。
こんな世界。
神様、どうして・・・。
あの世界から逃げたいと思ったのは私だけど。
どうして、この世界なの?
ここに来たって、なにも変わらない。
私はただの疫病神だ。