鬼姫伝説 Ⅱ
「お前が、違う場所にいるのは、千代がその体を使って現れているからなのだ」
「え・・・」
「身体の不調も、おそらくそのせいであろう・・・」
鬼羅から告げられた真実に、言葉を失う。
千代さんが、私の身体を・・・?
それって、本当に私が千代さんの生まれ変わりだったってこと?
でも、そうだとしても、どうして千代さんが出てくるの?
それって、まるで憑りつかれてるみたい―――――。
「すまなかった・・・」
「なんで・・・」
「もう少し・・・もう少し、と思ってしまった。・・・お前の身体に負担がかかっていることをわかっていながら」
その言葉に、すべてを理解した。
鬼羅は、千代さんに会えたことが嬉しかった?
10年ぶりに、私の身体だけれど、千代さんに会えて・・・。
自分を守るために命を落とした千代さんとの対面はどれほどの喜びだったんだろう。
愛し合っていた二人なのだから。
離れがたくなるのもわかる。
「すまない・・・」
謝られると余計に辛くなる。
鬼羅に必要なのは、私なんかじゃないのだと。
その現実を突きつけられているみたいで。