Ri.Night Ⅱ


「と、十夜!取り敢えず起きようか!」


ね、と言って身体に巻き付いている十夜の腕をほどこうと身を捩じらせるけど、いくらもがいても全然離れてくれなくて。


「んー、もう!十夜離してってばー!」


「……ッオイ、朝っぱらから暴れんな」


あたしの暴れように観念したのか、それとも暴れすぎて堪えきれなくなったのか、腕の力がフッと弱まった。


チャンスとばかりに腕を撥ね除け、勢いよく起き上がって十夜の腕から逃げ出す。


けど、ベッドから下りようにも握られた手が邪魔をして下りられない。



「十夜、手、離して!」



手を外そうと、ブンブン振り回して脱出を試みる。


いくら手を繋ぎ慣れたといっても、起きてる十夜を前にしてこのままっていうのは流石に恥ずかしい。



「……お前、昨日遅かったのに朝から元気だよな」


「……うん?」



昨日……?


あ。そう言えば!



「あたし、またソファーで寝ちゃってた?十夜が運んでくれたんだよね?」


ごめんね、いつも。


とペロッと舌を出すと、「あ”?」と眉を潜めた十夜さん。


「ん?」


何その反応。



「お前……」


不穏なオーラを身に纏ながらムクリと起き上がった十夜に嫌な予感がして。


危険を察知したあたしは、「なになに!?」と後ずさった。



「……お前、昨日の事覚えてねぇとか言わねぇよな?」


「昨日のこと?」


え、昨日のいつ?

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