Ri.Night Ⅱ
ひ、ヒドイ……!!
あたしめっちゃ期待したのに。
「あーん」が出来ると思って期待したのに!!
まぁ、そうだよね。十夜だもんね。
大魔王がそんな事してくれる訳ないよね。
ちっくしょう。期待させやがって。
「凛音ちゃん」
「……ん?」
不意に呼ばれて振り向けば、いつの間にか傍に来ていた壱さんがあたしの口元へとスプーンを向けていて。
「あーん」
あたしはその掛け声に条件反射で「あーん」と口を開けていた。
「ん!美味しい!」
口いっぱいに抹茶の風味が広がって、思わず頬が緩む。
「壱さんありがとー!」
「ふふ、どういたしましてー」
壱さんに“あーん”して貰えるなんてしーあーわーせー。
「オイ、妄想馬鹿女。満足したか?」
「した!」
冷めた目で見てくる煌に元気よく返事をして、スプーンをピシッと煌に向ける。
「なら黙って梅干し食ってろ。……で?反対に機嫌の悪ぃ総長さん?黒烏を潰すのにどんだけ数揃えんだよ」
あたしに向かってシッシッと手を振った煌は、頬杖をつきながら十夜にそう問い掛けた。