シンデレラタイム
「ねぇ、光里。まずこんなイケメンが学校にいないよね、普通。」
「完全に映画の中の話。」
「あと保健室で手当とかありえなくね?」
「先生やるよね。それか自分。」
「湿布ぐらい自分で貼れよ!」
イケメンが女の子の足に優しく湿布を貼るシーン。体育で捻った設定。
お姫様抱っこで保健室へ。
「現実は体育で足捻らない。」
「高校生なってそんな怪我もしないし。」
確かに、と言いたくなるぐらいの正論。
まあ、あんまり人のこと言えないんだけど。何てったって脳震盪だし。
見れば見るほど、現実と夢との差を突きつけられる。映画の世界ってこんなピンクなのか!
「怪我ってさ、騎馬戦の時ぐらい?」
「あれ焦った〜。光里落ちるんだもん。」
「落ちてる時ね、なんかスローモーションなの。」
「やだ。リアル。」
あの時みんなの顔すごかったなぁ。