シンデレラタイム
その後も、映画の中はすごいとか現実ではありえないとか、2人で話しながら映画を立て続けに2本連続で見た。
「恋愛もので胸キュン作成失敗だね。」
「胸キュンより他の所に目がいく。」
なんて話しながら2本目を見終わって、葵がDVDをしまっている時。
ーピンポーン。
「……葵ママ帰ってきた?」
「いや、今日は遅いはず。」
「そうか。」
「てかあれ?エントランスじゃなくて玄関の方のチャイムだ、これ。」
インターホンを確認した葵が不思議そうに言う。
「放っとく?」
「つっても家の前にいるからな〜。」
ーガチャガチャ。
玄関のドアを開けようとする音がした。
「……何か、誰か中に入れてほしいみたいだけど。」
「カメラ映らない位置に立つのやめてほしい〜。」
そう言いながら、謎のお客さんを迎えるために玄関へと消えた葵。
……誰だろ?宅配便?
それだったら普通はエントランスでチャイム押すよね。
それに玄関ドアをガチャガチャやったりしないだろうし。
ドタドタと廊下を歩く音が聞こえて、リビングのドアを誰かが開ける。
振り返った先にいたのは。
「あ、ども。」
「……こんにちは?」
…………誰だっけ?