シンデレラタイム
彼はあたしが座ってたソファーの端と反対の方の端っこにドカッと座った。
なんだこの微妙な距離感。
「…お前B組?」
あたしか!
「あ、Bっす。」
「俺E。」
ふ〜ん、E組か。あまり行かないからな、どうりでわからないわけだ。
「何部?」
「自然部。何部?」
「バド部。」
へぇ〜。バドミントンね。
葵が来るまでの間、こんな感じでちょっと会話した。
「ごめんね〜、無愛想でしょ。」
「あ、いやいや。」
「大悟〜?ちゃんと仲良くしてよ?」
「……してる。」
プイッとそっぽを向く彼。
なーんか、幼稚園児みたいだなぁ。
葵がしっかりしてるからね、余計にそう見える。姉さん女房みたいな?
「光里、また映画でも見る?」
「そうします?」
恋愛映画を3本連続はキツいから、葵の家にあったDVDを見ることにした。
今度はホラー。洋画です!
ホラーってよりスプラッタかなぁ。
ちょっと区別わかんないけど。
あたしも葵も岩内も全員初挑戦のジャンル。
お化け屋敷は平気な方だけど、ホラーはどうだろ。ましてやスプラッタだし。
ちょっと怖いのかな、なんて思ってたら隣でガッチガチの葵を見て思わず吹いた。