シンデレラタイム


なんて当然上手くいくわけなく。


ガシッと手を掴まれた。
必死か!



「お願いします!」

「…こんな時間に迷惑です。」

「では昼間に出直します。」

「上げ足取らないでください。」

「奢りますから!」




ここで黙ってしまったあたし。



つかさ、それは当たり前じゃね?
何でこの状況であたしが払うんだよ。




でも!と何度も言ってくる彼にイライラが募る。



面倒だなぁ。
まず誰?ユウヤだっけ?
誰だよ、全くもって知らない。




あたし何かした?いや、してないと思うけど。



あー、怠い。お風呂入りたいし。
てかもう眠いし。




そうだね、もう帰ろう。


どうせロクな話じゃない。


そう思って、握られていた右腕を振り払い歩き出す。結構楽に解放された。


< 53 / 182 >

この作品をシェア

pagetop