シンデレラタイム
なんて当然上手くいくわけなく。
ガシッと手を掴まれた。
必死か!
「お願いします!」
「…こんな時間に迷惑です。」
「では昼間に出直します。」
「上げ足取らないでください。」
「奢りますから!」
ここで黙ってしまったあたし。
つかさ、それは当たり前じゃね?
何でこの状況であたしが払うんだよ。
でも!と何度も言ってくる彼にイライラが募る。
面倒だなぁ。
まず誰?ユウヤだっけ?
誰だよ、全くもって知らない。
あたし何かした?いや、してないと思うけど。
あー、怠い。お風呂入りたいし。
てかもう眠いし。
そうだね、もう帰ろう。
どうせロクな話じゃない。
そう思って、握られていた右腕を振り払い歩き出す。結構楽に解放された。