麗雪神話~青銀の王国~
「おやおや、そんな物騒な構えはよしてよ。僕だよ」

「吟遊詩人!!」

そう、目の前には、水色の髪と瞳の、あの吟遊詩人が立っていたのだ。

けれどここはセレイアにあてがわれた部屋。パレスの奥の奥のはず。

なぜこの男はこうも神出鬼没なのだろう。

ああ、そういえば、その答えに近いものを、サラマスから教えてもらったのだった。

セレイアは警戒するようににらみつけながら、言葉を選んだ。

「あなた…名前はレインスっていうんですってね。
サラマスから聞いたわ。
ディセルの…スノーティアスの、弟神だと。それは本当なの?」

吟遊詩人もといレインスは、あっさりと肯定して見せた。

「そうだよ。やっぱりサラマスなら教えると思った」

「じゃあディセルの味方なんでしょう!? なんで思わせぶりに現れてはすぐ消えたり、森の奥地に置き去りにしたりしたわけっ!? もう少し弟らしい真心を持ったらどうなのよ」
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