麗雪神話~青銀の王国~
沈黙が落ちて、セレイアは泣きたくなった。

白い花びらがひらひら、黙り込む二人の間を通り過ぎていく。

やがて、ディセルが焦れたように言った。

「どうして舞踏会なんかに来たんだ。そんなに着飾って。
周りがどんな目で君を見てるか、わかってるの?」

「それは…」

ディセルが出ると聞いたから、仲直りしたくて出席を決めた。

けれどそんなことを素直に言える心境ではなかった。

煮え切らないセレイアに、ディセルが苛立ったように髪をかきあげる。

「君は無防備すぎるんだ。
そしてわかってない。
君はいつも優しい。人を思いやれる女の子だ。なのに、俺の気持ちは、考えてくれないの」

「! 考えているわ」

セレイアは焦った。

ディセルの気持ちは、いつも自分なりに考えてきたつもりだ。

記憶喪失の神として、不安なことや心配なことを、抱え込んでしまわないように…。

「きっといろいろある、辛いこととか、ためこんでしまわないように、時にはそっとしておいたり、時には話してもらったり…それじゃ、だめなの?
足りなかった…?」

セレイアの声は震えていた。

涙をこらえていたからだ。
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