麗雪神話~青銀の王国~
口ごもったセレイアは、あることに気が付いた。

本当に久しぶりに、二人の距離が近いことに。

触れ合った体、そのぬくもり。

セレイアは一気に赤面し、体を離そうとしたが、ディセルは逆に、たまらずにといった様子でセレイアを抱きしめた。

ぎゅっと、その腕に力がこもる。

「…なんでもいいや。
君が無事で、よかった…」

息苦しいのに、心地よい。

セレイアはディセルの腕の中で、ひたすらとまどう。

「ディセル……?」

「婚約者だとか、そんなのは関係ない。俺が守りたいと思うのは、君だけだから」

耳元で低くささやかれた言葉。

鼓動が早鐘を打つ。

(それって…どういう意味……?)

セレイアが問い返そうとした時、急にディセルの体から力が抜けた。

支えきれず、セレイアは地面に押し倒される形となる。
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