麗雪神話~青銀の王国~
終章 希望との出会い

神々の住む天上界には、三つの空間が隣り合って存在している。

古い神々が暮らす〈隠界〉。

今まさに地上に影響力を及ぼす神々が暮らす〈明界〉。

若い親と子供たちが暮らす〈育界〉。

神々は人間と同じく男女の性別を持ち、人間と同じ方法で腹に子を宿す。そして人間と同じようにある程度の年齢までは体が成長していくが、成人したところで成長は止まる。

寿命は1000年前後。

産まれてから300歳になるまでを育界で過ごし、十分な力が認められると明界へと出てくる。と同時に、親たちは隠界へと移っていく。

明界に出た神々は、人間界と強いつながりを持ち、その感情が人間界の天候に影響を及ぼしていく。雨の神が雨を降らせ、雪の神が雪を降らせる。火の神が日照りを呼び、風の神が台風を呼ぶ。

その身に宿す力をのぞけば、神々は人間とそっくりだった。


―そう。思い出した……。
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