麗雪神話~青銀の王国~
空の神の加護を何よりも重んじる国民性のこの国で、それは致命的な欠点であった。
だからそれを補おうと、レティシアは誰より何より、努力を重ねてきたのだろう…。
ヴェインのことはいったん頭の隅に追いやって、セレイアはレティシアを応援したい熱い気持ちでいっぱいになった。
「髪や瞳の色なんて、大して大きな意味を持たないと私は思います。
王になる者に必要なのは、生まれつき定まってしまっているものではないと思う。
ふさわしくあろうと、生きながら成長しながら、真剣に努力を重ねる心だと思うんです。
神も、それはわかってくださっていると思いますよ」
「セレイア……」
美しい瞳を見開き、レティシアはセレイアをみつめる。
そして不意に、年齢相応のあどけない微笑みを浮かべた。
「…ありがとう」
レティシアの笑みは、空中庭園のどんな花よりも美しかった。
「セレイア、ちょっとおいでなさい」
「? はい」
レティシアがセレイアの腕を引き、ずんずん歩いて行く。
庭園を出て、廊下を歩き、階段を上り、どんどん上へと歩いて行く。
警備の兵たちを視線一つで避けさせて、レティシアがセレイアを連れてきたのは、広く美しいひとつの部屋だった。
「わたくしの部屋よ」
「えっ! 王女殿下の私室ですか!?」
だからそれを補おうと、レティシアは誰より何より、努力を重ねてきたのだろう…。
ヴェインのことはいったん頭の隅に追いやって、セレイアはレティシアを応援したい熱い気持ちでいっぱいになった。
「髪や瞳の色なんて、大して大きな意味を持たないと私は思います。
王になる者に必要なのは、生まれつき定まってしまっているものではないと思う。
ふさわしくあろうと、生きながら成長しながら、真剣に努力を重ねる心だと思うんです。
神も、それはわかってくださっていると思いますよ」
「セレイア……」
美しい瞳を見開き、レティシアはセレイアをみつめる。
そして不意に、年齢相応のあどけない微笑みを浮かべた。
「…ありがとう」
レティシアの笑みは、空中庭園のどんな花よりも美しかった。
「セレイア、ちょっとおいでなさい」
「? はい」
レティシアがセレイアの腕を引き、ずんずん歩いて行く。
庭園を出て、廊下を歩き、階段を上り、どんどん上へと歩いて行く。
警備の兵たちを視線一つで避けさせて、レティシアがセレイアを連れてきたのは、広く美しいひとつの部屋だった。
「わたくしの部屋よ」
「えっ! 王女殿下の私室ですか!?」