麗雪神話~青銀の王国~
(助けて!!)
セレイアが思わず涙目になった時、ガツンと何かを殴るような鈍い音が耳に届いた。
それと同時に拘束が解け、セレイアは力余ってつんのめりながらも、セレスの腕から抜け出すことができた。
(何が起こったの…?)
見れば、樹の幹に倒れ込むようにして、セレスがのびている。
その背後に、人影があった。
絶対零度のごとく冷たい目でセレスを見下ろしているのは、誰あろう、美しい銀髪の神、ディセルであった。その手にはぶあつい氷の塊を持っている。
「ディセル…!! あなたが、なぜここに……!?」
夢でも見ているのかと思った。
都合のいい夢。
だって、ディセルがこんなパレスの奥深くまで、堂々と素顔をさらしてやってこられるはずがない。
夢でも構わない、とセレイアは思った。
腕を伸ばし、彼に触れようとする。
しかし、ディセルの、セレスに向けられていた凍てつく視線が自分にまで向けられたのを見て、セレイアはびくんと体をすくませた。
「セレイア。これは、どういうこと?」
いつも穏やかなディセルからは想像もつかない、聞いたことのないような怖い声だ。
「え……これって…?」
セレイアにはわけがわからない。
セレイアが思わず涙目になった時、ガツンと何かを殴るような鈍い音が耳に届いた。
それと同時に拘束が解け、セレイアは力余ってつんのめりながらも、セレスの腕から抜け出すことができた。
(何が起こったの…?)
見れば、樹の幹に倒れ込むようにして、セレスがのびている。
その背後に、人影があった。
絶対零度のごとく冷たい目でセレスを見下ろしているのは、誰あろう、美しい銀髪の神、ディセルであった。その手にはぶあつい氷の塊を持っている。
「ディセル…!! あなたが、なぜここに……!?」
夢でも見ているのかと思った。
都合のいい夢。
だって、ディセルがこんなパレスの奥深くまで、堂々と素顔をさらしてやってこられるはずがない。
夢でも構わない、とセレイアは思った。
腕を伸ばし、彼に触れようとする。
しかし、ディセルの、セレスに向けられていた凍てつく視線が自分にまで向けられたのを見て、セレイアはびくんと体をすくませた。
「セレイア。これは、どういうこと?」
いつも穏やかなディセルからは想像もつかない、聞いたことのないような怖い声だ。
「え……これって…?」
セレイアにはわけがわからない。