愛ニ狂ッタ人







夜が、怖かった。

独りの夜は、もっと怖かった。

恐怖の対象でしかなかった。




寝られなかった。

いつ起こされるか、

いつ調教に行くのか、不安だったから。





嫌だ。

ボクを愛してよ。

その願いは、儚く散った。







「…当たり前じゃないの。
私も、キミしか愛せないし、愛されたくないわ」






だけど今、

僕の願いが、叶った。







「雪愛ッ……!」

「好きなの、キミが。
大好きなの、心から。
キミしか愛せないし、必要ないの。
私の傍にいて。
私しか愛さないで」







僕らは、そのまま抱き合って、何度もキスを交わした。






モウ二度ト、

離サナイ………。












< 139 / 234 >

この作品をシェア

pagetop