愛ニ狂ッタ人







僕は雪愛に、全てを話した。

母の父への愛のことも。

僕の幼い頃の恐怖体験も。

愛して、と泣いていた時も。

夜が怖くて、今も深い眠りにはつけないことも。

毎日、寝た感じがしないことも。






「私がいるよ。
私が、キミを守ってあげるよ。
…だから、お願い。
私の傍から離れないで。

ずっと一緒に、いて」






幼い頃から愛に飢えていた僕は。

雪愛と出会って、その空間を作った。





壁も天井も、全て雪愛の写真で覆いつくされた、

僕の部屋の中にある、扉の先の空間を。





そこに寝転がると、僕のカメラに収められた雪愛の写真が、僕を癒してくれた。

本人には勝てないけど。

その部屋にいるだけで、僕は狂いそうになる。





雪愛、

雪愛。

雪愛、キミが欲しい。






雪愛雪愛雪愛雪愛雪愛。

雪愛雪愛雪愛雪愛雪愛雪愛。






愛シテ、イルヨ。












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