愛ニ狂ッタ人
第3章 彼氏side









この学校は、僕にとってはお屋敷のようなものだと思う。






誰も僕に逆らえない。

教師も、教頭も、校長も。

最初は、そんな僕が嫌いだった。






だけど、今は良い。

僕が何をしても、この学校内でのことなら許されるから。






今だって、そう。

授業をサボって、雪愛と屋上へ行っているのだから。





他の生徒は、屋上へは入れない。

365日24時間。

入れるのは、僕と雪愛だけ。





屋上に柵はなく、1歩低い段差を乗り越えて踏み出せば、空中散歩が出来る。

自殺防止のため、学校は屋上を閉鎖している。




でも、そんなのうわべ。

生徒がいじめとかによって自殺でもしたら、学校の評判が下がるから。

教師も教頭も校長も、考えるのは学校の評判だけなんだ。

生徒のために生きる先生は、きっと青春ドラマ内だけ。

現在に生きる先生で生徒を考えるのは、何人?

片方の指で、足りる?









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